僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory








「梓紗は
素直じゃなくて不器用なんだ

素直に物事を話せねぇし
話すとしても上手く話せねぇ

器用じゃないから
色々他人に迷惑をかけたりもするし
他人から嫌われることも珍しくない

だけど…
梓紗は本当は優しいんだ

オレがさっきみたいに喘息の発作を起こして
バレないよう隠しても…梓紗だけが見抜くんだ

梓紗に隠し事は出来ねぇよ」


「……そうだったんだ」


「梓紗…この間泣いてた

お前のこと風邪引かせて
そのせいでクラスメイトから外されている気がするって

何でお前に水かけたんだろって
梓紗…後悔してた

お願いだ
白羽さえ良ければ…梓紗のこと許してくれねぇか?」




頭を下げながらオレは言いきった

白羽もオレも何も言わないから

沈黙だけが過ぎた





「お前が梓紗を恨んでいるのも知ってる

お前自身にも迷惑かけたし
お前の彼女だって言う黒木さんにも
嘘ついたってことも全部聞いてる

…ごめん
オレが謝る
何度だって謝罪する

梓紗のこと…許してくれねぇか?」