オレはずっと

他人に迷惑をかけてばかりだと思っていた




「…ごめんね…梓紗ちゃん」


「別に良いわよ」




何回繰り返されたのだろうか?この会話は




オレの身体が弱いばかりに

隣に住む梓紗はオレのことを看病してくれた

女より身体が弱いオレが自分で許せなくて

オレはあんまり自分の気持ちを話さなくなった



あれは確か…小学2年生だったと思う

その日も風邪で学校を休んでいる時

オレは夜中気持ち悪くなってリビングへ向かった



そこで初めて見た

お父さんとお母さんが喧嘩している姿を

内容はオレのこと



オレの看病のせいで

お父さんとお母さんは何日も仕事を休んだ

最初は理解してくれていた仕事場の上司から

今日の昼間電話がかかってきて言われたそうなのだ

「何日も仕事を休まれるのなら辞めてもらっても良い」と



今の仕事にやりがいを感じていた両親は

その上司からの言葉にショックを受けて

話しているうちに喧嘩に発展した様だった