竜真さんに聞いてみると
竜真さんは自然の森のことを何も知らなかったようだ
なので俺が説明する
「……なるほどね」
「斗真って行けますかね?
今日も入院しているってことは…また体調崩したんじゃないでしょうか?」
アイツ…大丈夫かな?
黒木さんって言う人が好きだって言ってくれているのに
好きな奴と行きたいって言うのはわかるから
行かせてやりたい
斗真も黒木さんが好きだから
竜真さんが斗真の様子を見に学校を出た
…本当にあそこの家は全員が斗真に優しい
毎日誰かしら父親や兄が来ていた
何をしているか知らないけど…仕事で忙しいはずなのに
放課後
黒木さんが斗真の病室に行くと言っていた
…黒木さんも斗真も
本当に相手が好きだな…
「樹っ!」
「…萌」
「たまには一緒に帰ろうよ
家も隣同士なんだからさ」
1人で校門を出ようとすると
俺よりも先に教室を出ていた萌が
待ちわびていた


