昌の家に戻って
お母さんから貰った冷えピタを貼る
「昌…ご飯は?」
「食欲…ゲホッ…ない…ゲホゲホッ」
「食べなきゃ駄目だって
おじさんにも言われているんでしょ」
「…ゲホゲホッ」
…馬鹿昌
「…寒くないの」
「少し…ゲホッ」
今の季節は春
なのに昌が被っている布団は夏物のタオルケット
まだタオルケットには早い時期のはずなのに
アタシは勝手に昌の部屋の中にあるタンスを漁った
1番下に窮屈に詰め込まれている春物の冬物よりは薄い布団
だけどアタシはそれを取らないで冬物の布団を取って被せた
前に昌の担当医師から聞いた
昌は1年の殆(ほとん)どの体調が良くないから
体力もその分なくて
上手く体温管理が出来ないってことを
だからこうして春だけど
冬物の布団を被せてあげる方が最適なのだ


