「…ありがと…梓紗ちゃん…ゲホゲホッ」
「熱は何度あるの?」
「…わかってない…ゲホッ
計っていないから…ゲホゲホッ」
「体温計はどこにあるの?」
「その辺に…ゲホゲホッ」
アタシはさっき吸引機を見つけた机を見る
すると埃(ほこり)を被った体温計を見つけた
「ふっ」と息を吐きかけて埃を払い昌に渡す
虚ろな瞳でアタシの手から体温計を受け取った昌だけど
手をついて起き上がろうとしているけど難しいみたいで
体温計を床に落としてしまった
「…何してんのよ」
「ごめ…ゲホゲホッ」
アタシは体温計を拾って
「片腕上げられる?」
「…ゲホゲホッ…ん……」
少しだけ上がった腕の脇の下に挟んだ


