「お邪魔します」と言わないで
アタシが向かうのは階段を上った先にある部屋
軽くノックをして扉を開ける
「……昌?」
物が少ない殺風景な部屋
ベッドや机など必要最小限の狭い部屋
それだけで少しだけ胸が苦しくなる
「昌
アタシよ?」
いつも昌の眠るベッドに近寄り声をかけると
「…あず…さ…ちゃ……?」
途切れ途切れに
酷く荒い息を繰り返しながら
幼馴染のアタシの名前を呼ぶ昌
「平気なの?」
「…苦し…ゲホゲホッ…ヒューヒュー……」
物心ついた頃から聞き慣れた喘鳴
アタシはベッドから遠い机に置かれた吸引機を手に取った


