「樹っ!」
授業終わり
全く書いていなかったノートは真っ白
どうしようか考えていると
萌がやってきた
あの頃と違い
萌は凄く可愛くなった
別人かと思えるほど
薄っすらとバレない程度に化粧をし
制服も適度に着崩している
今時の女子高生って感じだ
「樹
授業中ボーッとしていたでしょ?
ノート写していないんじゃないかと思って
貸してあげるから
しっかり写して返しなさいよね?」
…萌
相変わらず優しいんだな
だけど俺は
アイツらの姿を見つけて
萌の方へ向けていた首を前へ向けた
「いらねーよ
大きなお世話だ
大体見間違いだ
ノートはしっかり写していたよ
馬鹿にするんじゃねぇよ」


