わたしが後をおって、改札をぬける。 透亜くんは、先にスタスタ歩いていって もう、手…つないでくれないよね。ほんのちょっとだったけど、幸せだったな。 はぁ…、と目線を下にさげたとき わたしに向かって、クイクイと手のひらを動かしている透亜くんの後ろ姿が見えた。 透亜くんは、ずっと前をみてて歩くスピードもゆるめなくて。 だけど、手のひらだけがわたしに向いていて、それは「早く」と急かしているみたいで 「透亜…くん?」