水野くんの名前をだされてすこし、どきっとしたけれど、そんなことよりも、肩にまわったうでが嫌で仕方が無い。 「あの、離して…っ」 重低音の響くカラオケボックスでは、蚊のなくようなわたしの声は徳永くんに届かない。 「え?聞こえなかった、LINE交換してくれるのー?」 さっきよりも、もっと強く肩をひかれる。 そんなとき、かけるくんと目があった。たすけて、かけるくん。そう目で訴える。