戻ってきてからは自然と席が入れ替わっていた。

奥から綾瀬、亜理紗、穂村真尋、あたしという順だった。



穂村真尋は早速あたしの知っている曲を入れる。

順番が回ってくる。



「はい」



穂村真尋からマイクが渡される。



「え、樹が歌うの?!初めて!!」



亜理紗がすごくワクテカとした目を向けるが…無視。

入れたのは倉衣の曲だった。


なんだかドキドキする。



初めは緊張していたけど歌い始めるとすんなり歌えた。

穂村真尋が一緒に歌ってくれていたからだろうか?



それからいくつか一緒に歌った。
しばらくしてからは自分で曲を入れるようになった。



歌うってこんなに楽しいことだったのか。



楽しい時間はあっという間に過ぎていき
気がつけばもう時間だった。



カラオケ店を出て4人で駅の方に向かう。

初めてのカラオケで、8時間もいた。



「それじゃあ、またね」



電車がくると、綾瀬と真尋と別れた。