No.1ガール〜桜の姫〜①



理「馬鹿なこと言わないでくれる?て言うか、いい加減手放して。」



そう言うと、意外とあっさり離してくれた。



早く帰ろう。でないと次は何を言われるか分からない。



理「じゃ、帰るから。今後一切、私に関わらないで。」



そう冷たく突き放す。


もう関わりたくない…誰とも。






翼「…なぁ、お前は一体何を恐れてる?」




ーーードクン。



思わず、帰ろうとしていた足がピタリと止まった。




理「……何の、こと?」



心臓が嫌な音を立てたがそれに気づかない振りをして平然を装う。




視線を神谷翼に向けると、黒い瞳が私を捕らえていた。




自信に満ち溢れた真っ直ぐな瞳。



まるで昔の自分を見ているようで、胸の中で黒い何かが騒ぎ出す。