「チッあともう少しだったのによ。だが、忘れちゃいないか?こっちには大事なお姫様がいるんだぜ?この状況であんたは俺に手を出せるのか?」
そう言って男がポケットから取り出したのはナイフ。
それを私の首元に近づけた。
そんな物を仕込んでたなんて卑怯にもほどがある。
翼「チッ。」
さすがにここまでされたら翼もそう簡単に手は出せない。
…だったら。
「お姫様を無事返してほしければ珀龍神を解散させろ。でなければ、この可愛い顔に傷がつくことになるぜ?」
理「だったら傷をつけてみなよ。やれるもんなら、ね?」
「は?」
その瞬間、私は縛られたままの手で男の腕を振り払った。
幸いにも、私の手は前で縛られていたから掴まれてさえいなければ腕を振り払うことは簡単だった。
「うわっ!」
カランカラン
その衝動で男が持っていたナイフは後方に飛んだ。
理「翼!」
翼「フッあぁ。」
私の声と共に翼はすぐに男に近寄り、
翼「もう終わりだ、珀龍神に手を出したことがそもそも間違いだったな。」
バキッ
翼の拳は男の顔面にヒットしそのまま男は動かなくなった。

