「ククッそんな暴れるなって。すぐに気持ちよくしてやるからよ。」
そう言って男の顔が胸に近づいた時だった。
ガシャーーン!
部屋の外から物凄く大きな音が聞こえた。
どうやら無事に辿り着けたみたいだね。
「っ!?何だ、何があった?」
「そ、総長!!珀龍神です!!」
「んだと?そんなはずねえ!ここの場所の情報はあの男がうまく隠してるはずだろ??」
翼たちがここに辿り着けるとは思ってもいなかった男は驚き焦っている。
理「あのね、一つ言い忘れてたことがあるの。」
「あ?」
私はクスッと笑って上から物凄い形相で私を見る男に言った。
理「私の携帯にGPS付いてるの、気づかなかった?」
「GPS、だと?」
理「そう。だから、ここの情報が出なくても私の居場所は分かるってわけ。」
バタンッ
翼「そう言うことだ。残念だったな、お前は相手が悪かった。さっさと理央を返してもらおうか。」
…翼。
何故だろう、別に怖かったわけじゃない。
なのに翼の姿を見た瞬間に安心感からか泣きそうになる。

