No.1ガール〜桜の姫〜①



理「…ん。」


あれ、私どうしたんだっけ…?



まだボーッとする頭を必死に回転させる。



そうだ、奴らが倉庫に攻めてきて、皆に手を出さない代わりに大人しく着いて来たんだった。



その後車に乗せられて、すぐに変な薬品嗅がされて眠らされたってわけか。



グイッ


手を動かそうとすると縄でしっかり縛られていることに気が付いた。もちろん足も同じだ。




全く、大人しくついてきたんだからもっと丁重に扱ってほしいよ。



そんな事を思いながらぐるっと辺りを見渡す。




ここは奴らの溜まり場か何かだろうか。




決して綺麗とは言えない少し広めの部屋に長いソファーが一つ置いてあり、私はそこに寝かされていた。



どうやら今は私しかここにいないようだ。




翼たちはどれくらいでここに辿り着けるかな?



一応、GPSはオンにしてあるから居場所はすぐ分かると思うんだけど。



あんなに嫌だったGPS機能がまさかここで役に立つとは思わなかったや。



今だけはこれを付けたお父さんに感謝だね。


“今だけ”だけどね。