No.1ガール〜桜の姫〜①



翔「…総長。」



呼ばれて振り向くと、怪我の手当てを終えた翔平と洸哉が立っていた。



陽「お前ら大丈夫か??」


洸「はい、傷は大したことないんで…。」


翔「心配かけてすみませんでした!」




そう言って頭を下げる二人。




翼「お前らが謝る事じゃねえ。だから顔上げろ。」


疾「翼の言う通りだよ。無事でよかった。」




そう言うと二人は顔を上げたが、その顔はどこか悔しそうだった。



ま、次期幹部候補と言われてんのにボコボコにやられたのが悔しんだろうな。




陸「翼、これからどうするんだ?そろそろこっちも手を打たないとやばいだろ。」



翼「…あぁ、分かってる。」



疾「俺たちも何とかしたいのは山々だけど、こうも情報が何もないと動くに動けないよな。ちょっとした手がかりでもあればいいんだけど…。」



洸「……あ!!あの、役に立つかどうか分かんないんすけど、俺見ました!!」



突然何かを思い出したかのように声を上げる洸哉。



陸「何を見たんだ?」



洸「俺、意識が飛びそうになった時、最後の力を振り絞って一人の奴のフードを取ったんです。そしたら、そいつの首元に蠍の刺青があったのを見ました!!」



翔「そう言われてみれば、俺も相手の奴の手首に蠍の刺青があった気がします。」




蠍の刺青か…。


それを元に調べれば何か分かりそうだな。




翼「分かった。翔平、洸哉よくやった。今日はとにかく帰ってその傷を治せ。」



「「はい!!」」