翼「はぁー、ったく一人で行動するなって言ったろ。」
大きな溜め息と共にベシッとおでこをデコピンされた。
理「ッ痛い!女の子に向かって何すんのよ!」
デコピンされたおでこを抑えながら、翼を睨む。
この人は手加減と言うものを知らないの?
翼「うっせえ。お仕置きだ。疾風に怒られねえだけありがたく思え。」
…それは、そうかも。
疾風が怒ったらすんごい怖いもん。
翼「ほら、行くぞ。皆待ってる。」
理「あ、待ってよ!」
歩き出した翼を追いかけて隣に並ぶ。
理「翼、助けてくれてありがとね。」
翼が助けてくれた時、すごく嬉しかった。
だって、好きな人に助けてもらって嬉しくない人なんていないでしょ?
翼「…あぁ、当たり前だ。」
翼は相変わらず素っ気なく返したけど、私にはちゃんと見えた。
ふわりと笑う翼の横顔が。

