No.1ガール〜桜の姫〜①



翼「はぁー、ったく一人で行動するなって言ったろ。」


大きな溜め息と共にベシッとおでこをデコピンされた。


理「ッ痛い!女の子に向かって何すんのよ!」



デコピンされたおでこを抑えながら、翼を睨む。


この人は手加減と言うものを知らないの?



翼「うっせえ。お仕置きだ。疾風に怒られねえだけありがたく思え。」



…それは、そうかも。

疾風が怒ったらすんごい怖いもん。



翼「ほら、行くぞ。皆待ってる。」


理「あ、待ってよ!」


歩き出した翼を追いかけて隣に並ぶ。



理「翼、助けてくれてありがとね。」



翼が助けてくれた時、すごく嬉しかった。


だって、好きな人に助けてもらって嬉しくない人なんていないでしょ?



翼「…あぁ、当たり前だ。」


翼は相変わらず素っ気なく返したけど、私にはちゃんと見えた。


ふわりと笑う翼の横顔が。