そんな事を思いながら、伏せていた顔を上げて少しズレた眼鏡をクイッと元の位置に戻す。




私は水瀬理央(ミズセリオ)。


この一之瀬学園に通う高校二年生。


瓶底のぶ厚い眼鏡に黒髪お下げ。膝下10センチのスカートに上まできっちり閉めたボタン。



誰がどう見ても“地味子”。




そんな私にもちろん友達なんてものはいなくて、これまで一人でのんびり学園生活を過ごしてきた。




寂しくなんてない。


上っ面だけの中身のない関係でいるくらいなら一人の方がマシだからね。