それから1週間が過ぎた。

ユウは仕事に行く前の時間を、レナの病室で過ごしていた。

「あれからどう?」

レナがジュースを飲みながらユウに尋ねた。

「うん…。表面上は穏やかだけどな…。」

ユウはバンド内で起こった事をレナに報告していたので、レナもメンバーの様子を気にしていた。

「トモの事は社長も驚いてたけど…とりあえずいずれ一緒になるにしても、子供もいるしタイミングが大事だって。結婚相手の子供がトモの実の子供だって、世間にはすぐ知られるだろうしな…。トモは知らなかったんだし隠してたつもりはなくても、隠し子発覚!!みたいな騒がれ方するに決まってるだろ?」

「世間の目は厳しいもんね…。」

二人が深刻な顔をしていると、ドアをノックする音が響いた。

返事をする間もなくドアが開き、マユがひょっこりと顔を覗かせた。

「レナ、具合どう?」

「あっ、マユ…来てくれたんだ。」

マユの後ろに、マコトを抱いたシンヤの姿もあった。

「シンちゃん久しぶり。マコトも来てくれたんだな。」

ユウはシンヤからマコトを差し出され、嬉しそうにだっこした。

「マコト、また大きくなったなぁ。何ヵ月になったんだっけ?」

「8ヶ月。」

ユウに抱かれてニコニコ笑うマコトを見て、レナも微笑んだ。