「奈緒」 「え……」 急に名前を呼ばれて顔をあげたら、気がつけば抱きしめられていた。 ……どうして? 今、あたしを隠す必要なんて、ないじゃない。 「諒真、さん……?」 「どうやったら、笑うんだ?」 え? いきなりのことに、きょとんとしてしまう。 「どうやったら……お前は人を信じる?」 『信じる』 その言葉は、あたしに不安と恐怖しか与えない。 信じては、裏切られ。 裏切られては、また信じて。 そして裏切られる。 あたしの人生、その繰り返しだった。