「九條奈緒か?」 右腕を掴まれ、慌てて振り向く。 そこにはスーツ姿の男が二人、立っていた。 「あぁ、やっぱりそうだ。母親がずっと探してたぞ」 あまりのことに、声も出ない。 体の中が、スゥッと冷えていく。 「暴れられると困るから、寝ていてもらうか」 ニヤニヤしている男たちは、あたしの腹をひと蹴りした。 「っゔ……!!!」 体を折り曲げて、地面に倒れ込む。 猛烈な痛みの中 あたしは、意識を手放した。