「うわあぁぁぁあ!!!」
夏休みに入ってすぐ、香代先輩に連れてこられたのは広くて綺麗で、たくさんの人で賑わうビーチだった。
海には何回か行ったことあるけど、その中でも一番きれい!!!
「ツツジちゃんテンション上がってきたねぇ~。
でもちょっと待った。
まずは別荘案内しないとねぇ」
「あっ、はぁい!!」
笑いながら言った香代先輩の隣に並ぶ。
ここで遊べるなんて…楽しみ!
「なにしようかなぁ~。
まずは泳いで、あっ、砂場でお城作るのも良いかも!
それからそれから…」
「おい、どこ行くんだよ。
こっちこっち」
やりたいことを指折り数えて考えていたら、晶に呼び止められた。
いけないいけない…はしゃぎすぎて迷子なんて、シャレにならない。
「あ。いずみー」
なんとか気持ちを落ち着かせようと頭を左右に降っていると、心なしか弾んだような香代先輩の声が聞こえた。
それに反応して、顔をあげる。
香代先輩が手を降っている先には、少し私たちより大人っぽい、男の人がたっていた。
顔が整っていて、晶にひけをとらないくらいイケメンな感じだ。
…………香代先輩の周りってどうなってるの?
イケメンしかいないの?
「香代、久しぶりだな。
元気にしてたか?」
「何言ってるのー、いずみ?
昨日電話したし、この前あったのだって1ヶ月もたってないでしょー」
「ん?そーだっけ。
ま、いーや、んで、この子が噂のヒツジちゃん?」
チラリと、男の人が私を見た。
この人が…先輩の…。