「良いんですか!?」
「うんうん、おいで~。
近くに海もあるから遊べるよー」
「おおお!是非行きたいです!!」
ね!?と言わんばかりに晶を振り向いた私に、晶は呆れた様子を見せた。
「んなキラキラした目で見んなよ…。
俺は何度も行ったことあるから別に行きたくはねぇ」
あ、そっか、幼馴染みだっけ。
うーん…じゃあ晶は来ないのか…。
残念…。
「………が、モカ、それってセンパイも来んのか?」
少し晶が顔をしかめながら言う。
…………センパイ…?
晶がセンパイって呼ぶなんて…まさか不良仲間…?
「センパイって…?」
「モカの彼氏のことだ」
「あっ、あの大学生の!」
なるほど。
不良ではない…かな?
「あー、うん、来るよー」
「じゃあ…行くしかねーだろ。
モカが用事で外出してるとき、二人きりはこいつが絶対耐えらんねー」
………香代先輩の彼氏さんも来るんだ…。
私…晶は大丈夫だけど、その他の男の人はまだダメっぽいから…。
確かに、それはキツいかも。
「ひゅー、藤やさしー。
じゃ、決定ね」
こうして、波乱の旅は始まったのである。