「そのあとの…もし私だったらってやつ。
あれ聞いて…衝撃受けた」
私だったら耐えられない。
そう言ったツツジを目の前に、俺の脳裏によぎったものがあった。
俺がいて。
座り込んで…怯えるツツジがいて。
『……ツツジ?』
それで…手を伸ばした俺に、こう言うんだ。
『やめて!
近付かないで…怖いよ』
『え…?』
『怖い…汚い、気持ち悪い』
そう、遊園地で絡んできた奴らにツツジが言ったように。
俺に向かって…幻のツツジは、はっきりと言った。
その瞬間、息が詰まる感じがして。
確かに耐えられないって、涙が出そうになった。
足が震えて、どうしようもなく怖くなった。