ヒツジ、狼と恋をする。




藤崎 晶side




「…………さっきは…ごめんなさい」



後ろから、ツツジの声が聞こえた。



多分振り向いたら、眉の端を下げてしょんぼりとした顔をしているんだろう。



少なくとも、そう思わせるような声音だった。



「助けてもらったのに…本当にごめんね」



………違うだろ。



俺が聞きたいのは、ごめんじゃない。



謝罪を聞くために助けたりなんか、しない。



「………なんで謝ってんの?
俺別に、怒ってないけど」



「で、でも…」



………あぁ、怒ってるように…見えるのか。



昔からそうだ。



無表情でいたり、顔を背けていたりすると、怒っていると思われる。



ツツジにも…そう思われているのか。



「その…晶は優しいから。
怒ってないのはなんとなくわかるよ…。

でも、それでも申し訳なくて…」



「………………え」



思わず、声がもれた。



怒ってない…?



俺が?



怒ってるように…見えない?