ヒツジ、狼と恋をする。








……俺が屋上で暇を潰し始めて暫く、授業中の校舎は静かなものだった。



グラウンドからは体育の授業をしている声が聞こえるが、それでも別校舎にいるときとは違い、なんだか新鮮な感じがした。



本校舎って人がいっぱいでうるさいイメージしかなかったけど、案外悪くねぇな。



なんて思って、目を閉じた。







……次に気付いたときにはもう、授業終了の鐘がなり、一時間が終わったのだとそこで始めて気が付いた。



横になっていた俺は体を起こす。



それにしても時間がたつのが早くないか?



俺、一時間もここにいたっけ…。



やけに思い瞼に、回らない頭。



……まるで寝起きのそれである。



目を閉じてボーッと考えていたつもりだったが、いつの間にか寝ていたらしい。



ふぁあ、とあくびをしながら俺は何気なく校舎裏を見下ろした。



「………………あ?
なんだあれ…ツツジか?」



偶然視界に入ってきた女子の集団…と言っても5人だが、その中にツツジが見える。



そして、そのすぐ側の木の影には俺が言うのもなんだが、何やらガラの悪そうな男が二人ほど目にはいった。



「…………まさか」



嫌な予感がする。



女子によるいじめならまだ解決策はあるかもしれないが、あいつ相手に男は…打つ手が無さすぎる。



「ちっ…」



俺は舌打ちをするよりも早く、駆け出していた。