「あれー?あの子……」
こちらを向いて私に気付いた様子の女の子が、首をかしげた。
その声に、ビクッとする。
「あ?ツツジじゃん。
なんだ、またなんか取りに来たのか?」
「えと…あぁ、うん…」
「?なんでそんなしどろもどろなんだよ」
「…………………」
晶の言葉もあまり頭に入ってこず、私はただ窓から入ってきた晶の隣にいる女の子をじっと見つめることしか出来なかった。
「ん~?」
私の視線に気付いたのか、女の子は高い背を屈めて私の目線に合わせた。
それから、またヘラッと笑う。
「ふーん…なるほどねぇ~。
藤ぃ、私教室戻るねー」
「は?なんだよいきなり」
「まぁまぁ。
なんかこの子怖がってるみたいだし。
あとは藤が何とかしてあげなよー。
じゃね、『ツツジちゃん』~」
そういって、女の子は私の横をすり抜けて行った。



