「だから、晶とはなにもなかったよっ!!」



千夏ちゃんにそう叫んだ私は、今ピンチです。



「嘘だぁ。だってヒツジちゃん、前まで『藤崎くん』って呼んでたでしょ?」


「それはっ…そうだけど…。
でも、それとこれとは話が別なのっ!」


「えぇ~?ほんとかなぁ」



………この間の遊園地の件。


何かあったんでしょ?って、問い詰められてます。


まず、何かって何?


別にただジェットコースター乗り回して、ナンパから助けてもらって、観覧車乗って、晶は以外と怖くないってわかった…ってだけだし。



「なんにもなかったってば~~~!」


「ふぅん…?
まぁ、そういうことにしておいてあげよう!」


「もーっ!」



ぷくーっと効果音がつきそうなくらいに頬を膨らませた私の頭を、千夏ちゃんがポンポンと軽く叩く。



ほんとに何もなかったのに…。