ヒツジ、狼と恋をする。




「…………」


「……………」



私も晶も、何も話さない。


……って言うか、私は色々と聞きたいことがあったんだけど…晶の足が速すぎて、いくら手を引かれているとはいえ追い付くので精一杯だった。



「おい、乗るぞ」


「えっ」



有無を言わさず押し込められたのは、観覧車。


……いつの間に観覧車まで来てたんだろう。


なんて考える暇もなく、いってらっしゃーい、と言う係員さんの声が聞こえて、バタンと扉が閉じられた。


そこでやっと、晶の手が離れる。



「…………悪い。
とにかく騒ぎになる前に逃げた方が良いと思ったんだが…その、手も掴んじまったし、こんな狭いところに連れ込んじまって……。
大丈夫か?…いや、怖いよな…。

ほんと、悪い…」


「……………」



晶の申し訳なさそうな声に、私は何も言わない。


……いや、何も言えなかった。



だって、晶は助けてくれたのに。


なんで晶が謝るんだろう?


まだ頭の整理が追い付かなくて、私はただ晶を見つめることしか出来ない。