ヒツジ、狼と恋をする。











「…………藤崎くん」



「…………」



「あの…大丈夫ですか?」


「…大丈夫じゃねぇ!
ぜんっぜん大丈夫じゃねえよ!!」



ベンチで顔を伏せていた藤崎くんがいきなり顔を勢いよくあげる。



「なんなんだよあれ!
めっちゃこえぇ!!
よくそんな平気でいられんな!」


「確かに怖いですけど…楽しいですよ?」


「信じらんねぇ…お前実は強いのな…」


「だから強い弱いの問題じゃないと思いますけど…」



藤崎くん、あえなく撃沈。


いやぁ、さっきのはすごかったなぁ。


まさかあんなに叫ぶなんて。


藤崎くん、ジェットコースター苦手なんだ…。



「遊園地こえぇ…最強だここ…」


「藤崎くん!?」



ヤバい藤崎くんが正気失ってる!!



「……よし、俺はこれを乗り越えて見せる…!
次はあれだ!あれならいける気がする!!」


「え!?」



藤崎くんが指差した新たなジェットコースターに、嫌な予感がする。


まさか、怖くなくなるまで乗る、なんていう強攻手段に出ないよね?ね?!



「こうなったら怖くなくなるまでひたすら乗ってやる!
ツツジ、ついてこい!!」


「やっぱり!?」



強攻手段出ちゃったよ!!



……って、ツツジって。



名前…なんか久しぶりに呼ばれた気がする。



いっつもヒツジちゃんだからなぁ。