「……どうする?帰るか?」
「……うーん。チケット勿体ないですけど…」
「俺は別にどうせ暇だし、このまま行っても良いけど。
お前、男性恐怖症だろ」
「あ…」
そっか。気を使ってくれてるんだ。
距離もこんなに離れて。
「えーっと…。
ふ、藤崎くんなら、この距離を保てば行けるかもです!」
「俺ならってなんだよ俺ならって。
他のヤツならもっと近くても大丈夫ってことか?」
「違います!その逆です!
藤崎くんはなんか…思ってたより怖くない」
「……あんな怯えて顔も見れなかったヤツがなに言ってんだよ」
「わあ!その節はすみませんでした!」
慌てて頭を下げると、頭上で藤崎くんが笑う声がした。
「うし、じゃあ行くか」
「……そうですね、折角買ったチケット、勿体ないですし」
「ところで遊園地って何があんの?
俺、来たことねーからよくわかんねーんだけど」
「えぇ!?
来たことないんですか!?」
「おう」
あ…だからこんなに乗り気だったのか…。
なるほど。
好奇心ってやつ?
藤崎くんは心なしか、目を輝かせて…と言うよりも爛々と光らせているように見えた。



