「……ちょっと~!
ヒツジちゃん!?何、今の!?」


「ふぇっ?」



ただ呆然と去っていった藤崎くんの背中を見つめていた私は後ろからかけられた声にすっとんきょうな声を返した。


振り返り様、ぎょっとする。


いつの間にか、千夏ちゃんが目の前まで迫っている。



「ち、千夏ちゃん…」


「今の!3組の!藤崎だよね!?
イケメン不良で有名な!」


「あ…うん、みたいだね…?」


「みたいじゃなくて!
ヒツジちゃんにもついに春が…」


「来てないよ!
ただ、プリント取りに行った時に置いてきちゃった携帯届けてくれただけで…」


「へぇ~?
男性恐怖症のヒツジちゃんがね~?」


「ちょっとぉ!違うってばぁ」


「ふぅん…あ、良いこと考えた!
ね、今週の日曜日あいてる?」



にっこり笑ってそう問いかけてきた千夏ちゃんに、若干嫌な予感を覚える。



「あ…いてるけど、なんで…?」


「遊園地行かない!?」


「……………………」


「ちょっと!なんで黙るの!」


「あの…嫌な予感が」


「こーらー!
友達からの遊びの誘いに嫌な予感とはどういう了見だぁ!」


「……………」



いやいや、話の流れ的になんか嫌な予感するよ!!