腕を掴む手も、野太い声も、足がすくむくらいに感じる恐怖も。



全部が全部、気持ち悪くて。



ただひたすら暴れて、叫んだ。



当然私は勝てるはずがなくて、どんどん引きずられて。



『おい!なにしてる!!』



『あ、あんたら、警察呼んだからね!!』



『その子を放せ!!』



私は大声を出していたからか幸い、周りの気付いた人たちに助けられた。



警察も来て、その場は大混乱で。



まだ幼かった私は、ただその恐怖に泣くことしか出来なかった。