「まぁた悶々と悩んでるわけねぇ。
ほんっと、藤って奥手だよねぇ、恋愛ごとに関しては」
「………るせ」
いつの間にいたのか、屋上の入り口にモカが立っていた。
こうやって悩んでるとき…必ず来るよな、こいつ。
どこにそんなレーダー隠し持ってんだか。
そういやいつだったか忘れたけど…いつか、クソ先輩も言ってたな。
辛いとき支えてくれて、なんでもわかってるかのような言葉をくれて。
すっげえムカついたけど、内心すげぇ安心したんだ、って。
そのあと『ベタぼれだな』ってからかったらぶちギレられたけど。
正直、その通りだと思う。
ちゃんと自分を理解してくれてるんだって、安心できる。
「………初めてなんだよ、こんなの。
今までもやもやしたことはケンカとかで吹っ飛ばせたけど。
これは、そんな軽いもんじゃねぇから」
「……あのねぇ、それ、元が間違ってるから」
モカが呆れたように笑う。
それから、俺の元に歩いてきた。
寝転がる俺を、上から見下ろす。



