ヒツジ、狼と恋をする。





「葵!パス!」



「っと、任せて!」



ふと、すぐ近くで男の子の声が聞こえるのに気付いた。



立ち止まって右を見ると、砂浜にバスケットゴールが2つ立てられているのが見えた。



その中で、男の子たちがボールをドリブルせずに手で持って走り回っている。



今パスを受け取ってゴールを決めたのは…葵だ。



「よし!休憩!
昼食まで遊んでよし!」



「うっしゃあぁ!」



コーチと思わしき人の声に、部員からガッツポーズが飛び出す。



楽しそうだなぁ…。



「ツツジ?立ち止まってどうした?」



「え?あぁ、ごめん!」



「……?
ってお前っ…前!」



「?前?」



晶がバッと目をそらしながら言う。



前???



自分の身体を見下ろしてみるけど、特に何もない。



「前って…水着がどうかしたの?」



「えっ」



晶の目が泳いでいる。



変なの~。



「そ、そういうもん…なのか?
いやそれにしても可愛すぎ…」



「えっ…なにか言った…?」



「な、なんでもねぇよ!!」



………………ん?



声小さすぎてよく聞き取れなかったけど…今、可愛いって…いやいやいや!



そ、そんなわけないよね!?



ききき聞き間違えだよねたぶん!!