「言っただろ?一華には、障害があると、
そのせいで、一華には、トラウマがある。
つらい過去がある。
大切な人を失うことを知ってしまった、一華には深い傷があるんだよ。」

涙ぐみながら、真剣に俺の目を見て話すおじさん。


だけど、そんなの、


「わかってます、絶対に、一華ちゃんが、俺を必要とするなら、離れません。
なにがあっても、離れません。
受け止める覚悟なんか、あります。」

力強く言うと、

「一華は、心を開くのには、時間がかかる。
話すのも時間がかかる。
それでも、
いいんだね?」



「はい!
今、手を伸ばしたら、救えるかもしれないのに、
俺は、やめようとなんか思いません。
そんな中途半端な気持ちなら、
俺のことを、煮るなり焼くなり好きにしてください。」

そういうと、



「ありがとう、西崎くん。
本当に、ありがとう。

一華をよろしくお願いします。」

そういって、
おじさんは、笑顔になったんだ。