一ヶ月前のあの日。 耳まで真っ赤にしてくれていたことだって。 本当は全部、知ってる。 「……うん、」 「……」 顔に熱が集まりすぎて、本当にわたし、蒸発しそうだと思う。 恥ずかしくてどうしようもない。 「あのさ、石川」 そろり、視線だけ上げる。 顔はまともに見れなくて、上下する喉仏を見つめた。 「……」 「……、?」 でも、いっこうに話し出す気配がない。 どうしたのだろう、ともう少し視線を上げた。 と。 「……わ、」 思わず、声に出してしまった。