『スーパー・ストーカー』て…
もはや変態を隠そうともしやがらねェよ。
だが、これまでのブっ飛びストーリーに比べりゃ、一番アリかも…
「『守る』って話は?」
「ん?
あぁ、ソレね。
監視していてわかったンだケド、君は今、悪のハイパー・ストーカー軍団に狙われてるみたいなンだ。
でも、安心して?
しーちゃんには、このスーパー・ストーカーがついてるよ!」
『スーパー』の次は、『悪のハイパー・ストーカー』て。
しかも『軍団』て。
バカなの?
死ぬの?
やっぱナシ、ナシ。
まな板に視線を戻した透子が、辛辣に呟く。
「…嘘で窒息して、死ねばいいのに」
ハイ。
素の透子さんは、とっても率直に毒を吐く人でもありマシタ。
とにもかくにも、楽しいクッキングは続く。
『しーちゃんのみじん切り、手際いいネー』
なんて。
『フフ、褒められた』
なんて。
『俺は?俺は?』
なんて。
『人参グラッセは面取りしなきゃダメ』
なんて。
『褒められるどころか、ダメ出し食らった!?』
なんて…
素顔を見せ始めた囚人と嘘に塗れた看守の奇妙な共同生活が、今、開始された。