俺はその子を“愛して”いたよ。 でも、それはもう、遅い。 愛してる気持ちだけで変えられることではなかったんだ。 それに、その子が消えた時はそう、 俺のことを思い出してくれた時だったんだ……。 俺は、今でもずっと彼女のことを想っている。 でも、俺に、それを言う権利は、ない。 俺は一度だけ。 一度でいいから。 あの子に、好きだと、伝えたかった………っ。」 肩を震わす少年を 私はただただ見つめることしか、できなかった。