「からかわないで。」 私はできる限り冷たく言うと、その手を振り払った。 「第一、名乗られてもいないんだけど?」 睨みつけるようにそう言うと、彼はあははっと声をあげて笑った。 「ごめん、忘れてた。 僕は黒羽惺。1年Sクラス。」 屋上のコンクリートの床に 『黒羽 惺』 そう、漢字を書きながら言った。 黒羽…惺………? どこかで聞いた気が………。 …………!?