濡れ羽色の美しい髪 その髪に瞳は隠れていて どこか、人目を引きつけるような容姿をしていた。 その少年は 机にコトリ、とコインを置くと 無言でイスに座った。 身にまとう空気からは ただならぬ魔力が感じられる。 ……いや、これでも抑えてるはずだ。 この人が本気の魔力をだしたら、 どうなるのか、私には到底想像出来ない。 「お悩みは、何でしょう?」 私は平静を保って 何度となく繰り返した言葉を投げかけた。