「ごっ、ごめんね!ビターチョコって食べたことなかったから……その……あの……自分の好きな甘いの選んじゃって…………」
片想いの相手がビター味しか食べないときってなんて言えばいいの?
スマートな対応なんてすぐに考えつかないよ〜!!
「なら食べてみればいいだろ」
「食べるって………?」
「ビターチョコ」
橘くんの側に置いてあった鞄の中から、1口サイズのチョコレートが出てきた。
まさかチョコレートも持ち歩いてるの?
夏なのに溶けないのかな………。
橘くんの鞄やポケットの中にはいったいどれだけの物が詰まってるんだろう。
まるで四次元ポケット。
橘くんはなんでも持ち歩いてる説が濃厚になるね。
珍しげにチョコレートを見ているうちに、「ほら」と軽く手渡された。
これって橘くんからのプレゼント………?
いや、プレゼントではかもしれないけど橘くんからの貰い物には違いない。
食べちゃうのなんかもったいない……。
もう一生橘くんからプレゼントなんて貰えないかもしれないじゃん?
食べないでずっと保管しておきたい。
そんな気持ちだ。



