「あっ、そうだ。これ貸してくれたお礼にお菓子持ってきたんだ」
手にしていた板チョコを顔の横に持ってにっこりと笑う。
橘くんの好きなものがわからなかったから、とりあえずわたしが好きなものを買ってみた。
甘党なわたしは甘いミルクチョコレートをよく食べる。
ちょうど購買で発見したから思わずこれを選んでしまったけど……。
「悪いけど、俺はビターチョコレートしか食べないから」
「えぇっ!?」
まさかの大失敗。
衝撃的すぎて多分今すごい変な顔をしたと思う。
心なしか、橘くんも笑うのを少し堪えてるように見えなくもない。
ビター味しか食べないなんて予想外。
ミルクチョコって王道中の王道なお菓子だし、苦手な人はいないと思ってたよ。
たしかに橘くんはビター味とブラックコーヒーが似合うけど、
そこまで考えてなかった。
わたしが好きなものより橘くんに似合うものを買うべきだったよ………。
ミルクチョコレートなんて………ただ単にわたしが食べたかっただけじゃないの?



