「えっと、英和辞典返しに来たんだ!貸してくれてありがとう。」
目の前で差し出すと、さっきとはまた違う驚いた顔をされた。
えっ、なんでそんなにびっくりしてるの。
「わざわざ返しに来たんだ?」
「うん。昼休みにまた来るって言ったから」
「……そんなこと言ってたか?」
「えっ……!」
どうやら聞こえてなかったのが正解らしい。
本読んでなかったじゃん!と叫びたくなったが、一応心の中に秘めておくことにする。
橘くんの素っ気なさはまさかここまでだったとは………それとも普通に人の話を聞こうとしないだけだったりして………。
ここまでくるとそう思えてくる。
意外とぼんやりしてる性格なのかな?
変わってるなぁ。
いや、そんな少しぬけているところさえも可愛いと思ってしまうわたしの方が、もっと変わってるのかもしれない。



