くっ………こんなときにもわたしは本に勝てないのか……。
いつか橘くんが本を読んでいても、すぐに気づいてもらえるような存在になりたいな。
実質、それは特別になったと言えるよね?
「あの、橘くん!」
叫んでいてもしょうがないとわかれば、すぐに橘くんに駆け寄って右肩を叩いた。
「…………なんだ、キミか。何か用?」
今度こそ気づいてもらえた。
2人きりの空間でこんなに距離が近いと少しドキドキが増す。
急に声を掛けたせいか、ちょっとだけビクッと肩を震わせていたけどお構い無しに言葉を続ける。
「隣、座るね………!」
なんの用かも話さずにとりあえずちゃっかり橘くんの隣に座った。
あぁ……今、橘くんのすぐ隣に座っちゃってるよ………。
橘くんっていい匂いするなぁ。
…………って、違う!
本日2度目のノリツッコミだ。
幸せに浸ってる場合じゃなくて、まず目的を果たさなければ。



