「ちょっとちょっと、橘くん!さすがにあの言い方はないんじゃない!?」



どうしても抑えきれなくて、バンッと机を叩いて立ち上がった。



「仕方ないだろ、本当に知らない人なんだ。急に告白なんかされても困る」



「でも勇気を出して告白したんだろうしあの子の気持ちも考えてあげようよ………」



わたし、全くの無関係なのにこんな偉そうなこと言って怒られたりしないかな……?


ふと我に返っても既に遅かった。


言ってしまった事実はどうしても変えられない。




「……だったら名前も知らない人にいきなり告白された時、キミならどう返事するんだ?」



今日の橘くんはやけに話してくれる。


いつもなら途中で無視ってことが多いのに。

嬉しいけどこの質問はちょっと困るな。



「わたしなら………」



もしも誰かに告白されたなら、わたしの返事は「好きな人がいるから付き合えない」の1択。


橘くんの前ではこの答え、言えないけど。