水曜日の片想い






「え、橘くん居ないの?」


4組の友達に聞いたところ、そうらしい。


教室の入り口から覗いても橘くんの姿はどこにもない。

せっかく4組まで来たのになんで居ないのー!


「橘くん、昼休みはいつも教室に居ないことが多いんだよね」


うっわぁ……華純と話してる間に行っちゃったんだ………。

華純なんて無視すれば………ってさすがに酷いか。


たとえ教室に居なくても校内のどこかに居ることには変わりないし、自分で探しに行こう。


「教えてくれてありがとう!じゃあね」


友達に軽く手を振った後は、廊下を歩きながら1人で橘くんのことを考える。


昼休みに返しに来るって言ったんだけどなぁ。


聞いていなかったのか、それとも聞いてたうえでどこかへ行ってしまったのかは謎。