橘くんと付き合いたいなんて、夢のまた夢だったのかなぁ。


わたしみたいな凡人が、橘くんと話せてるだけでも奇跡だったり……?



ーーーあーっ、だめだ!



こんなに悩んだって答えなんかでないもの。


どうしたらいいとか、どうすればいいとか、そんなの今のわたしじゃわからない。



平凡なわたしが王子様に振り向いてもらうには、やっぱりコツコツと努力するのが1番。


それくらいしか方法はないでしょ?


恋に近道なんてないの。

少しずつ橘くんとの距離を詰めるしか他ない。



「よしっ!」



ようやく心のモヤモヤが晴れたところで立ち上がった。


とりあえず今日は家に帰って本を読む。


1日でも早く、橘くんとつり合う人になるんだ!



悩みが晴れたあとの体はとても軽い。


今度は図書室以外でも橘くんに会えたら声を掛けてみよう。