なんせ目の前で好きな人の唇が奪われたんだから。
わたしが1番に橘くんとキスしたかった。
許してはいるけどやっぱり悔しいよ。
悔しいから、ちょっと意地悪しちゃおうかな…………?
そう思い、読みかけの本を一旦テーブルの上に置き、カウンターに座っている橘くんにゆっくりと近づいた。
「なんだ?」
わたしが何を考えていたのかも知らず、きょとんっとした顔でこっちを見ている。
その余裕、今すぐ崩してやるんだから……!
「橘くんってさ、いつからわたしのことが好きだったの?」
「はぁ!?」
驚いて肩を震わす橘くんなんか気にせず、ニヤニヤと微妙な笑みを浮かべて言葉を続けた。
「「ずっと好きだった」って言ってたでしょ?」
実はこの質問、橘くんに意地悪をするだけじゃなくて、わたし自身も気になっていたことだった。
いつから橘くんはわたしを想っていてくれてたのかなって。
なにかきっかけでもあったのかとそわそわしてた。
なんて答えてくれるんだろうと期待しつつ、余裕の表情で橘くんの答えを待った。



