わたしの日課は、毎週水曜日の放課後に図書室に来ること。



肌寒い秋の風はここにある図書室の暖房によって忘れさせてくれる。


時折窓を叩く風も気にならないくらい、この場所は校舎内の中でも特別過ごしやすい場所だ。



今日は水曜日。


1週間で1番好きな曜日。



それは、橘くんに会えるから。



水曜日の放課後は橘くんが図書当番で、違うクラスの橘くんと話ができる唯一の時間。


「今日も橘くんはかっこいいなぁ」



「は?」


「あっ………!」



バッと急いで口を出で塞いでみたけど、もう手遅れだったらしい。


橘くんの不穏な声がわたしの耳まではっきりと届いていたからだ。


うわぁ……やっちゃったよ………。