ドクン、ドクン、と全身に響く混ざり合う心臓の音。


橘くんの音。


「好きだ………大好きだっ………!」



本当に?

これが本当の橘くんの気持ちなの?


「嘘っ…………」



「嘘じゃないよ」


今まで聞いた中で、1番甘くて優しい声。

身も心も溶けてしまいそうなほど橘くんの熱を感じる。



もう、とっくに気付いていた。


橘くんは人を傷つけるような嘘はつかないって。

わたしを好きだと言ってくれた橘くんの言葉は本当だって。


それでもどこか疑いが消えなくて、遠回りしすぎた時間を確認するかのように何度も何度も橘くんの気持ちを聞きたくなった。


「信じていいの………?」




「早く信じろ。バカ」